スプリンター達が争う、世界最古の自転車レース
☆概要
2023年のミラノ~トリノは、スプリンター達が勝利を争うこととなるだろう。世界最古の自転車レースであるこの大会は、ミラノ~サンレモに近い日程に位置し、平坦なルートで争われる。
3月15日(水)に開催される第104回ミラノ~トリノは、ワールドツアー10チームとプロフェッショナル7チームの計17チームが、それぞれチーム最高のスプリンターを擁して、2022年にマーク・カヴェンディッシュが達成した成功を目指して競い合う。
☆コースプロフィール
レースはミラノ近郊のローからスタートする、標高差のないルートだ。一行はピエモンテ州へ向かい、数キロ先でノヴァーラ県とヴェルチェッリ県に接する。その後、カナヴェーゼ地方に入り、アップダウンが続くが、特に長くもなく急でもない。
その後、約95kmでトリノ県に入り、ヴィラレッジャ(Villareggia)付近で、トリノを北上する。
そして残り約30kmでスーザ渓谷に入る。ここからゴールまで、道は平坦かやや下り坂となる。唯一の落とし穴は、通過する町で遭遇するロータリーや縁石の安全地帯である。最後の1キロのフィニッシュまで、広い道路で完全に平坦になる。集団は、ゴールまで400mのところで最後のカーブを曲がり、勝負を決めるスプリントに突入する。
☆注目選手
今年もまた、この最も古いクラシックレースが、スプリンターの祭典として開催されることが決定した。ここ数年スプリンターがなかなか勝利しないミラノ〜サンレモを見据えた試金石というだけでなく、多くの快速自慢にとってはこのレース自体が目標であり、名だたるライダーが今回も登場する。
パリ〜ニースからティレーノ〜アドリアティコといった前週のワールドツアーで勝利したスプリンターたちが不在の中、人気者になりそうなのは、ディラン・フルーネウェーヘンだ。はその特性にもかかわらず、厳しいティレーノ・アドリアティコを見事に締めくくり、勝利こそ逃したものの最終ステージで2位に入った。フルーネウェーヘンはミラノ~トリノでの勝利が彼にとって重要なものとなることを隠していない。
フェルナンド・ガビリア(モビスター)とヨルディ・メーウス(ボーラ・ハンスグローエ)は、シーズン序盤は好調で安定していたものの、ティレーノ・アドリアティコではあまりパッとしなかった。そのため、ミラノ~トリノでは、スプリントの伏兵として活躍が期待され、彼らもできるだけ早く挽回を図りたいようだ。このスプリントは2人にとって、勝利以上の価値を持つものとなる。
アスタナとのバランスがまだ取れていないとはいえ、前年王者でありながら所属チームが異なるマーク・カヴェンディッシュは、優勝候補として優秀な存在であることに変わりはない。彼は、ケース・ボルやグレブ・シリツァのような2人の興味深い選択肢を見つけることができているかもしれない。アスタナが正真正銘のベストトレインを用意したことは偶然ではないだろう。
ナセル・ブアニ(アルケア・サムシック)とビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)も、それぞれ異なる理由でこのレースに参加することになったが、大いに期待されている。前者は、長期のレース離脱に伴う問題からまだ回復しておらず、シーズン開幕時の新たな落車も影響している。後者は、より重要な目標を持ち、準備も多様化され、今のところ期待ほどの輝きはない。しかし、サンレモは彼らの大目標のひとつであり、その数日前に良いパフォーマンスを見せることは、我々が期待することのひとつだ。
その他には地元イタリアのライダーも注目されている。その中でも、マッテオ・マルチェッリ(ビンゴールWB)とマッテオ・モスケッティ(Q36.5)は、このシーズン初めにすでに、レースで良い脚を見せている。前者はサウジツアー最終ステージで2位、後者はクラシカ・デ・アルメリアで優勝し、持久力とスプリントの速さは確認済みだ。
☆優勝予想
★★★★★ ディラン・フルーネウェーヘン(ジェイコ)
★★★★ フェルナンド・ガビリア(モビスター)、ヨルディ・メーウス(ボーラ)
★★★ ナセル・ブアニ(アルケア)、マーク・カヴェンディッシュ(アスタナ)、ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ)
★★ マッテオ・マルチェッリ(ビンゴール)、マッテオ・モスケッティ(Q36.5)、マライン・ファンデンベルフ(EF)、カスペル・ファンウーデン(DSM)
★ ニッコロ・ボニファツィオ(アンテルマルシェ)、ケース・ボル(アスタナ)、マリウス・マイヤーホーファー(DSM)、ルーカ・モッツァート(アルケア)、アッティリオ・ヴィヴィアーニ(コフィディス)
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