「このままレースを続ければ、いずれは報われる。」19歳のマグナス・シェフィールドが語る。
☆記事
★イネオスの将来を担うクラシックチーム
日曜日、クールネ~ブリュッセル~クールネに向かうイネオス・グレナディアーズのキャンプでは、6人の子供と1人の父親?が冗談のように話していた。
ベン・スウィフトは、少なくとも彼の10年後輩のライダーたちを率いる父親のような存在だ。イギリスチャンピオンの34歳は、全体の平均年齢を歪めているが、それでもチームの平均年齢は23.5歳とレース中最も若々しくなっている。
特に最年少の19歳、マグナス・シェフィールドは、スウィフトが2009年にプロに転向したとき、わずか6歳だった。
「マグナスは私よりも私の子供の方が近いです。」とスウィフトはレース後にメディアに冗談を言った。
さらに少なくとも前日には、38歳のキャメロン・ウルフもクールネ~ブリュッセル~クールネのメンバーに選ばれていた。しかしレース前にイーサン・ヘイターに変更になる。
「彼がいなくなったことで、平均年齢はかなり下がりました。」とスウィフトは付け加えた。
シェフィールドの他に、ベン・ターナー(22)とキム・ハイドック(21)というネオプロがおり、トム・ピドコック(22)とイーサン・ヘイター(23)はリーダーシップを共有しているが、まだキャリアは成長の初期段階である。そしてイネオス・キッズの最年長者は、24歳のジョナタン・ナルバエスだ。
これらのライダーは、イネオスのクラシック部門の将来を担う存在と考えられている。
イネオス・グレナディアーズは、2つのモニュメントや石畳での勝利など、おそらく評価されている以上に春の成功を収めてきたが、明確なアイデンティティとグランツールチームのような野心には欠けていたといえるだろう。
ルーク・ロウとイアン・スタナードが数年間旗を振ったが、ミハウ・クフィアトコフスキはワンデーレースに全力を注ぐことはなく、ジャンニ・モスコンはその潜在能力を完全に開花させることはなかった。
しかし、現在、そして将来に向けて、状況は変わってきているようだ。
チーム代表のロッド・エリングワース副社長は、クールネでサイクリングニュースに対し、「私たちがチームを作り上げているのがわかるでしょう。 私たちはクラシックチームをずっと考えてきたし、本当にいいメンバーが集まったよ。」と語った。
トム・ピドコックは、昨年のクラシックで頭角を現し、現在では無限の可能性を秘めた選手だ。また、スプリント志向で異色のリーダーシップを発揮するヘイターや、ターナーとも強い絆で結ばれており、将来の重要なサポート役と目されている。
アメリカの新鋭シェフィールドは、先のルタ・デル・ソルでステージ優勝を果たす前から注目されていた選手で、ドイツの若手ハイドックはあまり知られていない。エクアドル出身のナルバエスは、南米のクラシックの先駆けを担っている。
ピドコックはサイクリングニュースに対し、「このチームは、クラシックを勝ち抜くために、確実に成長し、学ぶことができる。」と語る。
彼らはオムループで18位、クールネで29位に留まったが、日曜日のレース後、チーム内は活気に満ちていた。
「今日の彼らのレースは素晴らしかった。」
エリングワースは、新監督のロジャー・ハモンドにも賛辞を贈った。
「彼らにチャンスを与えれば、何ができるかを示している。」
「ロジャーは、彼らのために素晴らしい仕事をしてくれたし、彼の経験は素晴らしいものだった。今日、彼らはそれを見事にやってのけました。」
ピドコックとナルバエスはオムループで、ワウト・ファンアールトとティシュ・ベノートのベレンディーズでの攻撃に唯一ついていけた選手として、すでに注目を浴びていた。
★互いに影響を与え合う存在
集団スプリントになりやすいこのレースで、イネオスの若手はワロン地方に入り、残り80km付近の3つの新しい登りでレースを分けようとするのが目立った。ピドコックとナルバエスは、レースがクリュイスベルク、トリウといったおなじみの上りに差し掛かると、またしても彼らはアタックし、ほとんど最後まで逃げ切った。
ピドコックとナルバエスは、ほぼ全面的に逃げに成功したが、ピドコックはこの逃げから脱落し、リーダーのミスがマイナスポイントとなってしまった。
しかし、ナルバエスがゴールまで残り100mまで奮闘した。結果としてスプリンターたちに抜かれてしまったが、イネオスのバスのムードを悪くするようなことはなかったようだ。
「今日は、チームとして本当に良い走りができた。自分たちの力を示すことができた。チームとしてあのような走りをすれば、結果はついてくる。」とターナーはメディアに語った。
シェフィールドはニコニコしていた。「登り坂を攻めることにして、自分たちの手でレースを進めたんだ。」「後手に回るより、そういうレースの方がずっと楽しいよ。正直言って、今日は本当に楽しかった。」
ピドコックは、土曜日に比べれば格段に良くなったそうだ。
「これは、今年だけでなく、その先も含めた将来のクラシックを占う上で、本当に良い兆候だ。」
子供たちはこう言っているが、お父さんはどう思ったのだろうか。
「彼らはエキサイティングな集団だ」とスウィフトは言った。
「彼らのレース方法は、私たちが過去に経験した方法とはかなり異なっています。彼らはチームに新鮮さを与えてくれる。彼らのレースぶりはとてもエキサイティングで、物怖じしない。今日のレースでも、彼らは積極的に攻めてきた。」
「お互いに刺激しあって、自然に育っていくんだ。才能に恵まれていることもあるが、我々のレースぶりは、このチームにとって新鮮なものだと思う。」
スウィフトの役割については、スウィフトパパが子供たちの手綱を握る訳では全くないようだ。ミラノ〜サンレモで表彰台に上ったことのあるスウィフトは、2020年にチームに復帰して以来、ロードキャプテンの役割に成長し、そこで成功を収めているように見える。
「『こうしろ、ああしろ』と私が言うことではありません。模範を示すこと、自分の走り方、そしてその周りのすべてを導くことです」と彼は言う。
ひとつだけ確かなことは、「若々しさを保つことができる」ということだそう。
オープニングウィークエンドは、クラシックの新しい才能を発掘するのに最適な場所であり、結果はそれほど重要ではなく、春の大きな賞はまだ数週間先になる。ドワーズ・ドール・フランデレンのチャンピオンであるディラン・ファンバーレは主役として復帰し、ルーク・ロウやミハウ・クフィアトコフスキは大きなレースで活躍するだろうが、これらの若手の多くはもう一度挑戦するチャンスがあることだろう。
シェフィールドはこう言っている。彼らの誰にでも言えることだが。「このようなレースを続けていれば、いずれは報われるでしょう。」
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